糖尿病|症状、原因、食事、対策を解説します
こんにちは。仙台エールクリニック内科・腎臓内科、院長の宮内健一郎です。
健康診断で血糖値が高いと判定されたことはありませんか?
糖尿病と診断されるのが嫌で、受診を控えていませんか?
糖尿病を放っておくと目、腎臓、神経の合併症を引き起こすだけでなく、脳卒中、心筋梗塞、癌などの重大な病気も起こりやすくなります。
しかし、初期からしっかりと治療を始めれば、健康への悪影響を最小限に抑えることができます。
糖尿病はどうして起こるのか、どんな検査が必要で、どう対処すれば良いのか、分かりやすく解説していきます。
糖尿病とは?|高すぎる血糖値が様々な合併症を引き起こす
糖尿病が強く疑われる基準
- 空腹時血糖値
- 126 mg/dL以上
- 食後血糖値
- 200 mg/dL以上
- HbA1c
- 6.5%以上
糖尿病は血糖値(血液中の糖分の濃度)が異常に高くなる病気です。
インスリン(血糖値を下げるホルモン)が出づらくなったり、効き目が悪くなったりすると発症します。
糖尿病を放っておくと、失明、腎臓病、神経障害などの合併症だけでなく、脳卒中、心筋梗塞、癌なども起こりやすくなります。
糖尿病の症状|初期の糖尿病は症状が出ない
糖尿病の症状
- 初期の症状
- なし
- 進行期の症状
- のどの渇き、多飲、多尿、体のだるさ、体重減少
- 合併症の症状
- 目の見えづらさ、立ちくらみ、手足のしびれ、ED、むくみなど
糖尿病の初期は症状がありません。
症状が出たときには合併症がすでに進行していることが多いです。
糖尿病の合併症として目、神経、腎臓がやられた場合も症状が出ます。
糖尿病の原因|生活習慣だけが原因ではない
糖尿病の原因
- 1型糖尿病
- 自己免疫(すい臓のβ細胞が自己免疫で破壊された)
- 2型糖尿病
- 遺伝(生まれつきインスリンが出づらい)+生活習慣
- その他
- 睡眠時無呼吸症候群、クッシング症候群、薬剤の副作用など
糖尿病は自己免疫が原因の1型と、遺伝と生活習慣が原因の2型に分けられます。
どちらのタイプも生活習慣以外の原因が関わっており、決して自己責任だけの病気ではありません。
糖尿病の検査|インスリンの出具合と合併症の状態が大切
糖尿病の検査
- 血液検査
- 血糖値、HbA1c、抗GAD抗体、Cペプチド
- 尿検査
- 尿糖、尿中ケトン体
- 合併症の検査
- 眼底検査、血清クレアチニン(腎機能)、尿中アルブミン量、振動覚検査、心電図、頸動脈エコーなど
糖尿病の検査は健康診断のような体に負担がかからない検査がほとんどです。
1型糖尿病で陽性になる抗GAD抗体、インスリンの出具合の目安になるCペプチドに加えて、合併症(目、腎臓、神経、心臓、動脈硬化など)の検査も行います。
糖尿病の治療|食事と運動が鍵
糖尿病の治療
- 1型糖尿病
- インスリン療法、食事療法、運動療法
- 2型糖尿病
- 食事療法、運動療法、薬物療法
1型糖尿病はインスリン療法が必須で、食事療法と運動療法も一緒に行います。
2型糖尿病はまず食事療法(糖分と塩分を控えつつ栄養素をバランスよく摂る)、運動療法(ウォーキング、軽いジョギング、水中運動など)を行います。それでも血糖値が改善しなければ、血糖値を下げる薬物療法(飲み薬、注射薬、インスリンなど)を追加します。
まとめ|糖尿病は一刻も早く治療開始を
糖尿病は体に悪いことがよく知られている一方、スティグマと呼ばれる負のイメージも強い病気です。
しかし、早くからしっかりと治療すれば健康な方とほぼ変わらない生活を送れることが分かってきました。
新しい糖尿病の薬もどんどん開発されていますので、ぜひ早めに医療機関受診をご検討ください。
当院は患者さんと同じ目線に立ち、ライフスタイルに合った検査・治療を心がけています。血糖値や糖尿病でお悩みの方はお気軽にご相談ください。