高尿酸血症・痛風|症状、原因、食事、対策を解説します
こんにちは。仙台エールクリニック内科・腎臓内科、院長の宮内健一郎です。
健康診断で尿酸値が高いと判定されたことはありませんか?
痛風や尿路結石で激痛を味わった経験はありませんか?
高尿酸血症は痛風や尿路結石の原因になるだけでなく、動脈硬化が進む危険性もあります。
高尿酸血症はどうして起こるのか、どんな検査が必要で、どう対処すれば良いのか、分かりやすく解説していきます。
高尿酸血症とは?|老廃物の一種である「尿酸」がたまった状態
高尿酸血症の診断基準
- 血清尿酸値
- 7.0 ml/dL以上
高尿酸血症は血液中の尿酸が異常に高くなる病気です。
尿酸は食べ物に含まれるプリン体を肝臓で分解したときにできる老廃物で、腎臓と腸から体の外へ捨てられています。
尿酸が体内に溜まると様々な場所に結晶ができ、痛風発作、尿路結石、動脈硬化などが起こります。
高尿酸血症の症状|痛風発作、尿路結石、動脈硬化が起こる危険性
高尿酸血症自体は無症状です。
しかし、痛風発作では尿酸の結晶ができて関節に激痛が、尿路結石では腰の激痛と血尿が起こります。
血管内に尿酸の結晶ができて動脈硬化が進む危険性もあります。
高尿酸血症の原因|尿酸が作られ過ぎるのか、捨てづらいのか
高尿酸血症の原因
- 産生過剰型
- プリン体の摂りすぎ、飲酒、遺伝
- 排泄低下型
- 慢性腎臓病(腎機能低下)、遺伝など
高尿酸血症の原因は大きく2つに分けられます。
産生過剰型は体内で尿酸が作られ過ぎている状態です。尿酸の素になるプリン体の摂りすぎや、飲酒による尿酸の産生増加が当てはまります。
排泄低下型は腎臓や腸から尿酸が捨てづらくなった状態です。腎機能の数値(血清クレアチニン)が悪くなっている方が当てはまります。
高尿酸血症の検査|血液検査と画像検査が中心
高尿酸血症の検査
- 血液検査
- 血中の尿酸値
- 尿検査
- 尿酸排泄量
- 画像検査
- 腹部レントゲン写真、腎エコー検査
高尿酸血症の検査では血中の尿酸値をまず確認します。必要に応じて尿路結石を調べる画像検査や、尿からの尿酸排泄量も調べます。
高尿酸血症の治療|プリン体と飲酒を控える
高尿酸血症の治療
- 食事療法
- プリン体が少ない食事、節酒
- 薬物療法
- 尿酸産生抑制薬、尿酸排泄促進薬
高尿酸血症の治療では、まず食事療法を行います。
プリン体が多く含まれる食品(レバー、えび、さば、かつお、白子、ビール、焼酎など)を避け、アルコールも必要最低限にします。
食事療法だけで尿酸値が十分に下がらない場合は、薬物療法を併用します。
尿酸を下げる薬剤は産生抑制薬と排泄促進薬の2種類があります。
まとめ|高尿酸血症は激痛が起こる前に早めの対処を
高尿酸血症の危険性がお分かりいただけたでしょうか?
激痛が起こる痛風発作や尿路結石の予防はもちろん、動脈硬化の進行させないためにも、早めに高尿酸血症の治療を始めることが大切です。
健診で尿酸値が高いと指摘されたら、早めに医療機関の受診をご検討ください。
当院は患者さんと同じ目線に立ち、ライフスタイルに合った検査・治療を心がけています。血糖値や糖尿病でお悩みの方はお気軽にご相談ください。